お客様邸訪問INTERVIEW

言いたいことをみんな言って。結果丸く収まって。
今、住んでみて、(問題は)何も…、ない!

丹精して育てる暮らし Vol.02K様邸 (2015年5月ご入居)

(1) キッチンカウンターからの延長線上にあるリビング収納。天板素材の変化が空間の見えない仕切り。構造材からぶらさがるドライフラワーなどさりげないディスプレイが空間のアクセントに。(2)現し梁の一角にはご主人のコレクションが並ぶ。(3) 階段下のデスク。Macにはお子さんたちが画いた絵がデジタルアーカイブされている。(4)2階バルコニーからご姉弟が手を振ってくれる。

Aさんの家だからそうなってるだけなんですよね。
自分たちのは?という問いかけにずっと答えられずにいて。

会津山義との打ち合わせはどうでしたか?

奥様
いやぁ…。夫婦間で揉めるし、山義さんとも議論して。その期間がすごくつらくて。プランを出してもらうまでもつらかったし、出してもらってからもつらかった。ずっとつらいイメージしか私は残ってないっていうか…。
こちらの想いを伝えるのに、横山さんからは「いやいやそうじゃないでしょ」って返ってくる。自分たちはこうだって言ってるのに「いやいや違うでしょ」みたいな。言い方はちょっと違ってたかもしれないけど、そういう気分が返ってくる…。
今思えばよーくわかるんですけど。その時は何を言ってるのかもよくわからなくて。
私たちがこう言ってるんだからこうしてよっ、て。リビングはこうで、ここの部屋はこうでとか、自分たちのイメージを一生懸命伝えたんですよ。
横山さんは、違う、違う。暮らし方だよ。どういう風に暮らしたいの?って話してるのに、私たちは小さい図面の中でリビングはこう、ダイニングはこうって、ひとつひとつの部屋のイメージを伝えてた。
ご主人
自分たちはホームページの写真を見て。あの家のここ、この家のこれがいいです。うちもこれにしてくださいみたいに伝えてて。そんなミクロの話をしてるんじゃないって言われて(笑)。
奥様
じゃあ、どこまで私たちはしゃべればいいの!?みたいな。また出直しさせられて。今日の打ち合わせなんだったの!?みたいになって。
横山
一貫して聞いてたのは、なぜこの写真なの?ってことなんだよ。なぜ?に応えられないっていうのは人の物を借りてきてるだけだから。そうじゃなくてって毎回言っていたのは、どのお客さんにもそうなんだけど、住居観を聞きたかっただけ。
奥様
Aさんの家だからそうなってるだけなんですよね。自分たちのは?という問いかけにずっと答えられずにいて。なんどもそれを繰り返して。夫婦間でも揉めて。(夫婦でも)好きなものとか全部一緒なわけではないし。
横山
揉めたってのは御幣あると思うけど。要は擦り合わせしてたんだと思う。悪く言えば「摩擦」だし。三者(ご夫婦と山義)で擦り合わせを。
ご主人
「家ノート」つくったもんね。
奥様
そう!何ページもつくって。
ご主人
リビングでどう過ごしたいかとか、ここに何を置きたいかとか詳しく部屋ごとに書いて。こちらの想いを書いて横山さんに渡した。
奥様
でも、あの議論をやらなかったら、どっちかに後悔が残っただろうし。言いたいことも言わずにどっちかが我慢する結果になっちゃったと思う。
ご主人
言いたいことをみんな言って。結果丸く収まって。今、住んでみて、(問題は)何も…、
奥様
ない!

(1) 玄関アプローチで真っ先に目に飛び込むヒメシャラの木。ポーラーサマーをその根元のアクセントに。(2)~(4) その他にも住宅の周りをさまざまな植物が囲む。寒い時期にも枯れない常緑のものから、季節毎に可憐な花を咲かせるものまで。(5) 西側の一角では家庭菜園も。トマトやきゅうりが間もなく実をつける。

つらい打ち合わせが続いたようですが…、希望通りの家は建ちましたか?

ご主人
素晴らしい家。何も不満の無い家!あの時にぶつかった期間があったから自分たちの望む家が出来たのかなって。
奥様
逆になかったら、今揉めてたかもしんない。
ご主人
なんでこんなもの作ったんだろう?なんでコレがここにあるんだろう、って。
奥様
ホント、ひとつひとつ丁寧に私たち夫婦と横山さんとで決めたので。
横山
誤解を与えるよね、この話だけ聞いたら。悪者だよ(笑)。最近のお客さんには自分は営業マンではないですからねって言ってるの。建築士の立場で発言しますからそこをご理解くださいねって。じゃないと、みんな、何だこのやりとりは?って思う。設計士のゴールと(住宅)営業マンのゴールは違うから。愛想笑いとかもできないし。
奥様
はは。ホントに!
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