風義ブログBLOG

2007.07.02
風義について

夜は暗くてOK


最近の日本の家は、とても明るいですよね。
開口部が大きいという意味ではなくて、
照明が多い。明るい。
時間に関係なく、仕事をする働き者の気質が
住まいをそういう風に変えてきたんでしょうか。
 
でも、自然の摂理にしたがえば、
夕方陽が傾けば空が赤くなり、徐々に影が深くなり、
夜にはすっかり暗くなるものです。
人間だって動物ですから、
カラダは本来そのリズムで動くようにできている。
以前あるお医者様に聞いた話では、
人は、朝日で体を覚まし、
日光を浴びている間働いて、
夕日を見ながら徐々にクールダウンするものなんだ、と。
昔の人はそれが自然だったけれど、
今のように時間に関係なく明るい中で仕事して、
寝る間際にぱっと暗くしても
カラダは休む準備ができないんだ、と。
 
なるほどと思いましたね。
 
誰でも経験があると思いますが、
ろうそくの火には安らぎを覚え、
白熱灯のオレンジ色の灯りに和むものです。
障子越しに差し込む日光はやさしいと感じるし、
格子の影に趣を感じる。
夜は、暗くていいんです。
 
仕事をする部屋には十分な光が必要だとは思いますが、
何もかも1つの蛍光灯でまかなう必要はない。
フロアライトや間接照明をうまく使って
デスクライトで手元を照らすこともできる。
 
影や光の色を愉しむことをはじめると、
外の思いがけない明るさとか
物の質感や色に敏感になります。
いつもの部屋でも、何となくゆったりした気分になります。
よろしければ今夜あたり、
照明を少し落として試してみてください。

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