会津山義の家づくりConcept

良質を追い続ける職人たち職人・匠の技

自社の大工たち
現場での手仕事をおしまず、
その一棟にとって最良の材料と技術で
自社大工たちが腕を奮います。
その技術を住み手の満足につなげることが
私たち職人の喜びです。

会津山義の前身は横山工務店と言います。現棟梁の父親の代から家業を大工とし、ずっと木造家屋を手掛けています。平成19年に「会津の精神や職人技術を、家づくりを通して受け継いでいくこと」を改めて決意し、現在の社名である会津山義としました。

自由な空間を設計する事ができる在来工法では特に構造材 (柱・梁・筋違等) の見極めが重要です。木には一本一本違った性質があり、それを適材適所に組み合わせ、加工する伝統工法の技を会津山義の大工たちは継承しています。

会津山義の大工たちは、みな正社員。材木の管理、刻み加工、現場での組み立てまで、1棟を最後まで「木を熟知した自社大工が受け持つ」ことも1つの責任と捉えています。何といっても、若手からベテランまでが長年に培った企業文化を共有していることも強みです。

冬寒く、夏の気温も上がる会津。会津の気候や風土を知り尽くした地域工務店だからこその地域性を生かした家づくりが可能であると自負しており、特に冬の寒さが厳しい地域で木の家づくりを続けたノウハウは、言い変えれば、東北の冬に耐えうる家と言えます。地域に根ざした家づくりを私たちが考えないわけにはいきません。

会津藩の家訓に掲げられていた「風義」。「風義」には、道理を通して信義を重んずる、という意味があります。それに従えば、道理を通す、つまり工務店として私たちが建築に取り組む姿勢はしっかり保ちつつ、信義を重んずる、お客様の夢や希望を実現する。そして、会津ならではの技と素材でさらに良いものにしていく。 それが会津山義の大工たちの考え方です。

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(1) 会津山義の大工職人たち。みな正社員。(2) ノミをの刃を研ぐにも熟練 が必要。杉の木は柔らかいため、マメに刃物研ぎが必要。(3)墨壺(すみつぼ)と墨指(すみさし)。(4) 仮組みの様子。現場でくみ上げる前に梁のくせを微調整していきます。(5) 一階の通し柱に入る梁にホゾを刻んでいく。(6) 砂切り(すなぎり)で端部を切り落とします。木材の端部には砂や小石が刺さっていることがあり、そのまま刻み加工を始めると、刃物を痛めてしまう。(7) 蟻(あり)仕口。手刻みで仕上げる。(8) 溝加工された造作材に「超仕上げカンナ」をかけていきます。

品質管理
地元会津の無垢の杉。
木材の生産履歴はもちろん、
どの材を家のどの部分に使うのか、
木材の見極めから加工、組み立てまでを
自社で管理しています。

会津山義で使う木材は地元会津の無垢の杉。山林の持ち主から直に買いつけています。山で伐採された木材はまず製材所に運ばれます。原木はここで皮剥きし製材されます。製材後に山義の自社工場に運ばれると、原木の年輪や形状を確認し、自社敷地内に桟組みして天然乾燥します。

木材の生産履歴(トレーサビリティ)を把握していることはもちろん、木材の強度に影響する乾燥具合を確かめ、大工職人がきちんと選定できることが私たちの品質管理です。 私たちは、どの材を家のどの部分に使うのかを目利きしています。自然乾燥は材によって乾燥のバラつきが出ます。そのため、大工は部位にかかる荷重を考え、材を的確な場所に振り分けします。構造材1本1本の強度(乾燥)を把握し、適材適所に採用する。構造的に強い家をつくるために木材を見極めることはとても大切なことなのです。

材木が下小屋(大工の作業場)に運び込まれ、「番付け」に基づいて墨付けをしていきます。墨壺を走らせ、糸を繰り出してはじき、まっすぐな線を得ると、今度はさしがねを使って、切り込みを入れるべきところを正確に寸法出ししていきます。

親方や棟梁が墨付けをし、大工が墨に沿って構造材を手刻み加工を施します。手刻み加工は木の個性を慎重かつ適切に読み解く、伝統の技術を継承した大工ならではの技術です。
またさらに、近年では技術革新が著しい機械による木材プレカット加工技術を併用することで自社大工の職人技と最新ロボット技術による木材加工の共創を目指しています。

接合部が複雑に組み合わさり、支え合うことで建物の強度はさらに増していきます。仕上げ材においてはモルダーと言う加工機でサネ(凹凸) などの複雑な加工を仕上げます。操作が複雑ですので、熟練しなければ使いこなせません。化粧材にはカンナがけ等を行う「超仕上げ」と呼ばれるさらにきめ細かな仕上げ工程を経ます。

会津山義では、熟練の職人にしかできないこと、精密機械だからできることを理解、区別し、品質向上を意識しています。

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(1) 会津の風土に根づいた百年杉。(2) どの材を家のどの部分に使うかを棟梁の指示で加工場へ運びます。(3) 棟梁の手による番付け板。これを基本に墨付けを行ないます。(4) 材に墨を付けていきます。(5) 大工が墨に沿って、構造材にのみでほぞ穴を刻む。(6) 木の特性を活かした伝統的な継手や仕口などの技術。(7) 操作が複雑なモルダー。何種類もある刃から用途にあったものを選定します。(8) モルダーでサネ(凹凸)などの複雑な加工を仕上げています。

自然乾燥の話
木の家の品質で特に重要なことは乾燥です。伐採したばかりの木材は水分を多く含んでいます。木材の中でも杉は特に含水率が高いのです。 いくら原木の品質が高くても十分な乾燥ができなければ、木材としての品質は評価されません。乾燥は木材の強度への影響も大きく、乾燥が不十分な材は強度も弱いのです。 近年、様々な研究により機械乾燥機が発達し、住宅供給力の高い工務店では積極的に導入されていますが、会津山義では年間10棟未満の受注棟数のため、機械乾燥は採択していません。自然乾燥を採用しています。色ツヤのことなども配慮すれば、天然乾燥方法がベストだと考えているからです。
木材の見極め ~木くばり~
会津山義では、1本として同じものはない無垢材の個性を活かすため、気配り(木くばり)しながら材を振り分けています。
「構造のどの部分にどの材を使おうか」、「リビングの床や柱は人の目にも触れやすいので節目がないのがいいな」、「節はあるけどコレは良材だから押入れや納戸に利用できるな」などなど。
「自社製材」という方法を選んでいるからこそ、木と向き合う時間が必然的に増え、木材を最大限に活かすことと向き合えています。
パートナー伐採職人
建築に適した良木を
奥深い山の中から探し出し、
下生えに邪魔されない雪のシーズンに
伐りだして提供するのが
山師の仕事です。

雪深い峰の連なる会津の山々。白く閉ざされた道なき道の奥山に、斧をふるう音が響き渡ります。会津山義が大切にしているテーマのひとつ「森林(やま)から始める家づくり」。建築に適した良木を奥深い山の中から探し出し、下生えに邪魔されない雪のシーズンに伐りだして提供するのが山師の仕事です。
山義が得意とする「根曲り材の現し梁」。実はなかなか簡単には、良材に巡り合うことがありません。そしてそれを、建築物件にあった切り方にすることも大切な勘どころなのです。

国産であれ外国産であれ、どんな銘木でも簡単にチョイスして発注すれば労苦なく入手できる時代に、会津山義の大工は山の現場に足を運びます。その場で必要な木取りを無駄なく見極め、中間コストを省くことでコストパフォーマンスを押さえられるメリットももちろんあります。しかし、現場に赴くことは山師に家づくりへの思いを伝えることのみならず、心震えるような銘木との出合いにインスパイアされて、改めて日々の自分たちの仕事に向き合うことも。なによりも、山師と私たち大工とが山の現場で育んできた信頼という結びつきこそが、より良い家づくりに繋がるものと考えています。

「てっぺんが尖ってる木が伐りどきなんだ」山師たちは今日も静かに山を巡っています。その木はいつか、あなたのお住まいになるのかもしれません。
ご指定の山の木で家を建てたいというリクエストにもできるだけお応えしております。山林をお持ちの方もお気軽にご相談ください。

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パートナー製材職人
大工との「あうん」の呼吸が欠かせない、
メンテナンスも全て自分たち、
鋸刃の目立てまで行う。
そんなプロ職人達に
今日も私たちは支えられています。

切り出されてきた丸太材を、使用に合わせて加工するのが製材という工程です。伐採した木材は、工場に運び込まれ、乾燥を経たのち製材されます。工場では雪のように細かい木粉を巻き上げながら、巨大な鋸が次々と厚い無垢板を生み出していきます。

会津山義の部材は45mm厚の床材を初めとした他社と異なる規格が多いのです。お付き合いいただく製材所、実は親子だけ、ご夫婦だけ、という事業所も少なくありません。なぜなら、どの工程よりも大工との「あうん」の呼吸が欠かせない作業であり、小回りがきくことも山義流の効率よい家づくりの要となるからです。

山義の木使いは、一般にはベニヤ材を使ってしまう押入納戸の内壁にいたるまで、必ず無垢材を取り入れています。一見、あまり見えない場所に余計なコストをかけているのでは?と感じられるやもしれません。ところが、製材段階でその部分をあらかじめ計算に入れ木取りを工夫することで、廃棄部分を減らしつつ、天然木の良さを生かした施工を効率よく低コストで実現できるのです。ベニヤ材を別途仕入れれば、大工の工程は楽になるのかもしれません。ですが、慣例を曲げても「いい家づくり」へこだわることこそ、私たちのクラフッマンシップの真髄でもあります。

心意気に寄り添い、意図をきちんと汲んでくれる技術があって、はじめて会津山義らしい家づくりが実現できるといっても過言ではありません。
メンテナンスも全て自分たち、鋸刃の目立てまで行う。そんなプロ職人達に今日も私たちは支えられています。

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