風義ブログBLOG

2013.05.24
生活

イマジネーション。

ここ最近消費増税かけ込みの影響でしょうか。問い合わせの対応で一日が終わってしまう。 色々な切り口の相談内容であるが一つ共通するところを確認したので建築家宮脇檀氏のフレーズを ちょいとお借りしながらご紹介。宮脇氏は文庫で”はじめにイメージありき”とスタートしています。みなさんはマイホームや事務所を作ろうとするとき最初に何をイメージします?

 

平均的には住宅総合展示場にある”大きく、美しい”現実味のない家やイタリア製の家具がバンッとある リビングなどが思い浮かぶのではないかなと。事務所であれば東京にあるようなガラスや石張りのビル、 受付カウンターがあり受付嬢がいるような会社など・・・。しかし、みなさんの普段の暮らしでは来客が頻繁にあるわけでもなく夕食などは昼食の残りものをチンして食べる暮らしであったとしてもLDKを想像する場合食卓台上にはワインと果物と銀のバケツを思い浮かべちゃうし事務所の 応接間であればソファーセットがデデンッとあり棚には壺や額縁が飾ってあるってね・・・。

 

つまり、我々は「こうあるべき!!」みたいな頑固なところがあり自分の生活や暮らしと関係のないところで イメージ先行してしまい企業や世の中が生み出したイメージに支配されているのですよ。これは我々日本文化特有 の形(スタイル)や作法など何か伝統芸能や技術を習得したりする際、徹底的に形(スタイル) を身に付ける。職人の世界でも似たようなところがあり「なぜそこに鋸目をいれるのか、なぜ面取りするのか。」 など絶対に教えてくれません。とにかく繰り返し繰り返しやっていくうちに形(スタイル)に近づき完成形を目指すし また一段上のレベルUPの道に進み親方や師匠に近づきます。 こうした日本的な形(スタイル)思想で家づくりを行うことでマイナスポイントはないでしょうが労力ほどの成果もないように感じていました。事務所や病院であれば働く人が働きやすい箱(容器)にデザインし、学校であれば生徒が学びやすく先生が指導 しやすい箱(容器)デザインすることが大前提。たまにひどく使いづらい病院や学校が存在しますが プライドや威光優先で使いにくい箱(容器)のデザインが生まれているのでしょうね。

 

では住宅は何のための箱(容器)にデザインをすればよいのでしょうか。 テレビCMでみた仲の良さそうな家族が映る住宅を手に入れることで突然集まりだんらんするわけでもなく 子ども室をつくったところで突然猛勉強するわけでもないのです。 箱(容器)に水を入れてお酒に変身することはありません。箱(容器)に入りるものは何なのか。 いまの生活や暮らしに合う箱(容器)をじっくりと考慮することが大切です。

 

ここまで宮脇氏の言い回しを活用させていただきましたが、ひとつ私の考えと違うところがありました。水がお酒に変身する箱(容器)はありませんが、私の経験上人間は箱(容器)次第でお酒に変身するってね。借り物のイメージでなく等身大のイメージができればさらにOK!!

IMG_0283.jpg

山義の家で暮らせばこんな感じに変身するんですよ。

(休日の風呂そうじの一枚)

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