風義ブログBLOG

2015.01.28
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愛着は育める価値。

 東京・練馬区にある現代版長屋「青豆ハウス」の記事が日経MJにありました。この長屋の設計を担当したブルースタジオ大島さん(東京・中野)は、「育てる賃貸住宅」をデザインコンセプトにし、賃貸住宅に欠けていた建物への愛着心を引き出すために、庭には大谷石外壁には天然木材など、天然素材と木造在来工法を選択し、経年変化を楽しみ、愛着の持てる賃貸住宅を誕生させました。

・・・「愛着」とは「愛でる」ことではない。「使いこなしていく」ことによって生まれる「モノと使用者との間に生じる親和性」でしょう。そう考えていくと、産業社会のデザインが商品の販売購入の次元のみを志向していたことが改めて理解できます・・・(青木史郎 2014 「インダストリアルデザイン講義」 東京大学出版会より)

 わが国では、住宅を景気対策商品とし耐久消費財とするきらいがあります。それらは時間経過と共に「価値」が低下することを意味します。長いつきあいになる住宅は、「減少する価値」ではなく「育める価値」のデザイン提案が重要だなと再考した記事でした。

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