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2016.07.25
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諸条件に合った使い方によって、最善のモノをつくり出す

先週末、ご家族のご好意のもと、北会津の家で完成見学会を開催することができました。ありがとうございます。さてさて、今回の住まいのデザインコンセプト、まとめてみましょうね。

北会津の家のデザインコンセプトは、「自分で自分の暮らしをつくってみよう!!」です。「なんだそんなあたり前の事、普通な感じだけど・・・」と、みなさんから聞こえてきそうですがはじめてみますか。

話は一旦飛びますが、職人さんは自分自身で道具をつくります。例えば大工さんが用いるノミやカンナなどは、刃先や持ち手などの箇所を自分のクセや体の大小に応じ、基本のカタチからいい仕事ができるように削ったり、切り込みを入れたりしながら、少しずつ自分の体になじむようにイジっていきます。試行錯誤の上、せっかく自分に馴染んだ刃先ですが、四季のあるわが国では湿度や温度など季節による影響も大きく、外的環境も考慮しながら自分に合った道具づくりをおこないます。ノミやカンナには電動工具のような取扱説明書などはなく、仮にもしあったとしても見たところでそれらをハウツー的に修得することは非常に難しいと思います。このことは大工さんの道具に限ったことではありません。要するに、これらの道具は、『諸条件に合った使い方によって、最善のモノをつくり出す』という共通点がありますよね。

ここから本題になりますが、『諸条件に合った使い方によって、最善のモノをつくり出す』ことは、道具に限ったことではなく、住宅にも当てはまるのではないかなと考え、今回のご家族を観察してました。家族と設計者でじっくりと念密に考慮された住宅ではあるものの、道具のお話で触れたようにハウツー的にことは進ず、少しずつ住宅をイジっていくことが住宅づくりのキーポイントになるのではないかなと。申し遅れましたが、住宅をイジルとは、物干し場の位置を変えてみるとか、食器洗いスポンジの置き場を変えてみるとか、枕の位置を変えてみるとか、換気窓の開け閉め時間を変えてみるとか、掃除機掛けから雑巾掛けに変えてみるとか、業者を入れて増改築の工事をすることの意味ではありません。さらに言い換えれば、人間が新陳代謝をおこなうように、住宅も新陳代謝を積極的におこなおうよ、ということのつもりです。

『諸条件に合った使い方によって、最善のモノををつくり出す』つまり『その時々の、自分の、家族の、季節の、条件に合った住まい方によって、最善の住宅を、暮らしを、生活を、人生を、つくろうよ!!』これが今回のデザインコンセプトであります。

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また、「この家の玄関はどこでしょうか?』今回の完成見学会で一番多い質問でありましたので、今一度お答えいたします。。特に、住宅展示場を数多くめぐり、既存の住宅づくり本などでをしっかりと学習されてきたご家族は、「玄関らしい玄関」の概念から外れた今回の玄関に困惑したことが質問によって現れたと推測することができました。困惑されたご家族はこんな感じで考えてみると良いかもしれません。例えば、みなさんが思い浮かぶ玄関とはどんな玄関ですか?その玄関の機能や効果は何でしょう?それは玄関以外では困難ですか?こんな感じで掘り下げてみることで、自分が何を要して注文住宅を注文するのか、浮かび上がってくることでしょう。参考になれば幸いです。

最後に、北会津の家のご家族へ、感謝の意を述べ、終わりたいと思います。

「モノだけでなくコトも提案する事ができ嬉しく思います。ありがとうございました。」

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