風義ブログBLOG

2019.09.02

国税ではありません。

先ほどマルサ漆工房にお邪魔してきました。

下記の写真は娘のお弁当箱です。

よく見るとたて方向の割れが、そしてフタ部分にも凹んだ傷がありました。落としちゃったのかな、このお弁当箱の木地はケヤキ材を彫り込んだもので、通常の使い方では割れたり欠けたりはしづらいはず。プラスチック製のお弁当箱でさればこのまま危険物のゴミとしてポイっと投げてしまうところですがなおしてもらおうと喜多方市へと向かいました。

ご主人は留守でしたが先代のオヤジさんが対応してくれました。割れたところをあえて違った素材で修理したいと話したところ「???」といった表情ではありましたがその理由を話してご納得の様子。だってそうした方が娘のストーリーとして残るし、親心としても残るし、職人技としても残るし。当然お弁当箱も残る。

修理場所に布を張り傷口を補強しつつ、布繊維の凸凹をチャームポイントとなる仕上げでお願いしてみました。上記写真の漆の器は傷の補強ではなくはじめから意匠性と機能性を取り入れた作品でございます。

このご時世ですから代わりになるもの、つまり代替品はそりゃ〜たくさんあります。それらに買い換えた方が安いし手軽だし移動手間も考えればなおさらで。それでもこれだけ物が溢れ、選びたい放題の時流のなかで本当に気に入った物を介して過ごせる人生を生きてほしいなと想っております。

 

 

 

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