風義ブログBLOG

カテゴリー:山義標準仕様

2009.11.03
山義標準仕様

輻射。

熱の伝わり方でもう一つ重要なものがあります。
輻射熱です。
それでは、簡単な実験をしてみましょうね。
まず、
①両手のひらをすばやくこすり合わせ摩擦熱で皮膚を温める。
②両手を顔に近づける。
どうですか!!暖かいでしょ!!
手のひらの熱が顔に伝わったことを皆さん実感できましたよね。
これは手のひらと顔の間の空気が温められたのではなく
手のひらの熱が熱線となり顔にポーンと当たったことで感じたのです。
この熱を輻射熱といいます。
身近なところでは真夏日のアスファルト舗装道を歩く時です。
クラクラくる真夏の暑さは気温(空気)35℃。
そして道路の表面温度は60℃です。
素足で歩けば火傷する温度ですね。
(今年、息子が体験しました。)
クラクラは気温(空気)35℃ではなく60℃のアスファルトからくる
熱線の放射が原因。
逆の場合も。
夏日に土蔵や洞窟に入るとヒヤッとしますね。
これは気温(空気)の温度が低いのではなく壁面温度が冷えているので
人体の温度(体温)が奪われるため涼しく感じるのです。
これを冷輻射といいます。
このように、カタログやWebに記載される室内温度は室温(空気温度)の記載のみがほとんどです。空気温度のみでは快適性の合否は困難です。
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低温水のパネルヒーター型のタオルウォマー。
なぜ、低温水か。なぜ、輻射暖房か。
なんとなくでも解かればうれしいです。

2009.10.23
山義標準仕様

快適さ。

前回の続きです。温度差は何度でしょうか。
□1〜2℃
□3〜4℃
□5〜10℃
などなど。
実際には何度かを‘赤外線温度計‘で確認!!
(赤外線温度計とは天井や電灯など計りにくい場所を瞬時に測定できるすぐれもの。
てんぷら油や高温のエンジンルームの測定にも使用されています。)
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まず、杉テーブル。 19℃。
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つづいて、金属花器。 19℃。??????
温度差0℃でした。
触れてみると杉テーブルのほうが暖かく、金属花器は冷たい。
今回の学習ポイントは、‘体感温度‘と‘実際(測定)の温度‘は同じではないということ。
日常生活のなかで意識してみましょうね。
たとえば、室温20℃。
ちょうどいい室温ですね。
しかし、風呂の水温が20℃だとしたらいかがでしょうか。
寒いですね、かなり。
ここが今回とても大切で、
体感温度は室温に反応するのではなく体温がいかに早く移るかにより感じるのです。
金属花器は杉テーブルよりも体温がすばやく移動するため「ひやっ」とします。
この熱の伝わり方を‘熱伝導率‘といいまして、
熱伝導率が高いものに触れるとサッと熱が移動し、
移動スピードが速いほど体は冷たく感じます。
(眠くなってきましたね。もう少しで終わります。)
ではでは、空気はどうでしょうか。
空気は熱がなかなか伝わりにくい性質があります。
寒いとき、重ね着をして空気の層をいくつかつくり、熱が移動しにくい環境をつくります。
住宅に使用される断熱材も空気を閉じ込めています。
理屈は重ね着と同じなんですね。
空気を含んだダウンや布団に触れると暖かく感じるのは
熱の移動が遅いため暖かく感じるわけですね。
缶ビールやワインを速く冷やすには‘空気‘が氷点下の冷凍庫にいれるよりも、
氷をたくさん入れた氷‘水‘は缶ビールのぬるい温度をすばやく奪う(移動する)
ので急速冷却できます。
お試しください!!
次回は、湿度についての私論です。
(しばらく続きます。お付き合いください!!)

2009.10.19
山義標準仕様

ご無沙汰です。

ちょいと気を抜くとブログが疎かになりがちな近頃、現場の方は着々と進んでおります。
下記写真は会津坂下町の家の断熱工事です。
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先月の完成見学会で、質問が多かった
‘断熱材はどのようなもの(素材)を採用なされていますか。‘
について持論を書いてみます。
結論からいっちゃいますよ。
断熱の素材は「なんでもいいのではないでしょうか。」ということです。
グラスウールがNGで板状断熱材がOK。最近は羊毛も流行っているようで…。
なんて具合で、情報が偏っているようですね。
そもそも、なぜ断熱材はいるのでしょうか。なぜ暖房や冷房をつけるのでしょうか。
それは外が暑かったり寒かったりするので。
ではでは、
寒ければお部屋の温度は何度にすれば
気持ちいいのでしょうか。心地よいのでしょうか。
たとえば20度。いかがでしょう。
私たちはどういうときに‘暖かい‘や‘寒い‘を感じその感覚は
どういう感覚なのでしょうか。それが解かれば、どうすれば
涼しい家や暖かい家がつくれるのかよくわかるかとおもいます。
まず体感温度について、ここでクイズです。
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写真左の‘鉄製‘の花器と建築模型が載っている‘杉‘でこしらえたテーブル。
花器とテーブルの表面温度差は何度でしょうか?

2009.08.20
山義標準仕様

そとん壁。

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那珂の家。そとん壁の再確認に来ました。
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私の説明不足で‘雰囲気‘が伝わらずもう一度‘仕上‘をお願いしていました。
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そとん壁は火山灰が主成分の塗り壁材。
http://www.shirasukabe.com/cgi-bin/takachiho/news/topics.cgi?page=57
多孔質の火山灰(シラス粒子)内部に空気を取り込み、
断熱層を形成するため、外気の温度を建物内部に伝えにくく、省エネ効率が◎。
また天然セラミック素材なので紫外線や風雨による退色・劣化がありません。
防水性も劣化しないため、再塗装や張替えといったメンテナンスが不要。
頼りにしている外壁材であります。
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心配させてごめんね!!

2009.08.07
山義標準仕様

左官

‘会津本郷の家‘の現場です。
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外壁のシラス塗り壁もお馴染みになりましたね。
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気迫感、たまらないっす!!
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9月お披露目予定。

2009.07.21
山義標準仕様

那珂の家

茨城・那珂の家へ。途中、気になる建築が...
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ベルサイユ宮殿を模じたようですね。
屋根・柱の形態や石貼りの外壁にその特徴が表われています。
スタイルいいです。
今日は、外壁の仕上げの確認。過去のブログでもおなじみのそとん壁。
http://aizu-yamayoshi.com/blog/2008/09/post_90.html
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那珂の家の左官工事は地元の左官職人に依頼。「こんな感じかい。」
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‘さらり‘とこなす仕事に経験値の高さを感じました。
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盆休み前、カッコつきそうです。

2008.10.07
山義標準仕様

‘すてき‘キッチン

ふくしま家つくりの本の取材がありました。
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コンパクトな広さを持つSさんのお住まい。
オール電化で月平均10,000円位のランニングコストということ。
やりました!!プランニング時に温熱計算したからね。うれしいです。
(くわしくは11月発売の本で。)
さて、キッチンについて少しお話を。
お客さんの要望による変化や各メーカーオープンスタイルの商品をラインナップ
してきた為に目する機会が多くなりましたセミオープンやオープンなキッチンスタイル。
しかし、すべての世帯に適しているかは疑問もある。『まー、すてき!!』
こんな印象が先行していませんか。
オープンキッチン、実はかなりの苦労と工夫、そして勇気が必要であります。
提案する設計者側の裁量も問われることにも。
オープンキッチンのメリットとデメリットを整理してみると、
空間の広がりが視界を開き動線をスムーズに。
多目的空間の部分もあり家族とのコミニケーションがはかれます。
反面、仕切りがないためにおいや煙、油煙も各部屋に漏れやすい。
調理や片付けの音も気になるところ。キッチンが真ん中にくるとキッチンの中に
住んでいるような錯覚も出てくる場合も。
一日のキッチンの作業時間はどのくらいかを住まい手の性格によっては
検証することも必要かもしれない。においと煙は深刻で打ち合わせ時には
しっかり話す必要があります。レンジフードは最近カッコイイものが多く選択肢が
増えたが効率的なものはまだ多くはないのが現状。
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出来合いのシステムキッチンのみでは個性でない。
フルオーダーキッチンまでは予算組みできない。
そんな時山義では...すてきなキッチンをつくるポイントは大きく3つ。
冷蔵庫位置、吊戸棚そしてレンジフード。
まず冷蔵庫の配置。
新築時に冷蔵庫も新調できる方は少なく現状のままプラン作成。
冷蔵庫の存在は空間を左右するので食品庫や食器棚の脇に。
もちろん使いやすい場所であることは大切です。
吊戸棚は大きな食品庫や造作収納によって必要がなくなる傾向にも。
システムキッチンの扉を空間に出すことにより‘すてき‘が半減するような感じもする。
高価なシステムキッチンの扉をチョイスすることが‘すてき‘を増幅するのではなく、
バランスなんだと思いますねやっぱり。
チープでもいいんですよ、バランスあればね。
最後はレンジフード本当は‘なくす‘ことができればいいけど、存在感が大きい。
それ一つでも印象はかなりのもの。
標準に付いてくるものを変えるだけでもかなり違うのです。
『すてきなキッチン、快適なキッチン』を手に入れるのは
カタログとにらめっこでは無理そうだよね。
その辺の提案はお任せください!!

2008.09.02
山義標準仕様

左官と付き合う

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左官という仕事はとても興味深い。
土の塊からうつくしさを表現し、
粒度を揃え砂や糊、水と語りコテ先の加減で壁に仕上る。
おおらかな左官の感性は豊かな壁の表情を創る。
それ故に職人の勘や経験に頼るところがおおきく
土地柄や気候風土によって多種多様な表情を生み出す。
われわれ大工職とはことなり図面等の作図などがなく
技のほとんどは‘口伝‘なので
設計者などを困らす職でもあるのも事実。
また、天候により工期も読めず
現場監督泣かせでもある。
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ではなぜにそのような壁をつくる左官と付き合うのだろうか。
とにかく彼らの姿を見てほしい。
図面、サンプルやカタログではなく
彼らの技を見てほしい。
とにかく見入ってしまう。
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左官の創る壁は別格だ。
仕上た壁を眺める。
「シャ―」っと
コテの声が聞こえてくるのは私だけだろうか。

2008.07.23
山義標準仕様

みんなの想い!!

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山義の定番、45㍉厚の無垢の床材。
住む人が‘木の家‘を感じることができる45㍉厚の床板。
もちろん一枚板から仕上がっています。
一般的な床の施工とはチョイと工夫が必要!!
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ベテラン大工さんから指導を受ける若手大工。
差し金の使いもおぼつかない様子もあるものの
樹齢80年超の床材と
格闘できるところは頼もしいものです。
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「さあ、ど〜やっておさめてやるか。」 必ず想いは伝わるよ、がんばれ!!

2008.07.18
山義標準仕様

らしさ。

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「外材は出来るだけ使わない。それが信念かな。」
外材の堅くて強いイメージ。それは写りや手触りにも。
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「地松や地杉には柔らかさや温かみをおぼえる。ただ、材種は多くしない。
やっぱり杉がいいよね。木もいろいろなものを組み合わせると‘木違い‘になるからね。」
材種が違えば強度や癖も違う。癖が違うもののを組み合わせれば狂いも大きくなる。
構造計算による金物の選択や取付がダメじゃなくて...
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材木の育った山の環境や製材、そして墨付けと刻み。
材料の出所を見ている山義の棟梁。
やっぱり、間違いないよね〜。

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