風義ブログBLOG

2021.04.18

経済的資本≠文化的資本

今日昨日と、住宅設計の依頼者・注文主の方々は若い方々でした。彼らは所持金は少ないのですが、幼少期から教養ある生活を送っていることもあり、いろいろなモノを見てきた観点を持っています。「良いモノは良い」と判るようです。

良いものは欲しいが、まだお金はない。といった状況。

これまでは、その時点で「じゃぁ、ほかで(他社で)」といった方が大半でありました。

でも彼らは、そういったタイプでもなさそう。

ここまでの「見てきたこと・聞いたこと」の文化的資本が見え隠れした週末でした。

 

2021.04.15

一回性。

今朝、工場を覗くと「杉床板」を作成していました。きょうの作業内容は、両端部切断。床板の加工工程のひとつです。計画された長さに床板の両端を専用機械により切断してゆきます。

会津山義では、床板を含む木材加工は「受注」により作業がはじまります。あらかじめ、受注量・供給量を予想し生産量を見込む、近年の生産管理方法ではありません。その度ごとに一回限りの木材選定が行われることになります。この一回限りの商材をめぐり、工場を出てゆくまでに多数の職人たちの目で役務が繰り広げられるのです。

▼動画:床板の切断

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2021.04.14

一重孔希展

2021年4月28日(水)から5月16日(日)まで、大和川酒蔵北方風土館昭和蔵において、一重孔希展「いのちの炎(ほむら)」を開催いたします。

氏の民芸工藝を宗としたその仕事は、日本の陶磁器の作家としては群を抜いており、素晴らしい作品です。さらに天才的な造形力による羅漢や獅子の数々、手捻りの仏には精霊が踊っています。

一重孔希氏は残念ながら先月31日に他界され遺作展となってしまいました。この展覧会を一生の集大成としたいと話していたことが耳に残ります。喜多方市(塩川町)が生んだ天才作家の偉業をご覧いただければ幸いです。

(一重孔希を偲び語らう会・展覧会レセプションのご案内から一部引用)

2021.04.09

お疲れ様です。

写真は、自宅中庭の「いろはもみじ」。今年も新芽が出てきました。

じつは、今年に入ってから数回、猪苗代にある工務店さんから「庭づくりのお手伝いしますよ」って、電話が届くのです。

なんてお断りすれば良いものか・・・。

2021.04.08

コロンコロンしちゃってください。

下記に置きました動画は、「はなわ町の家」の作業風景です。

はなわ町の家は、4本の大黒柱をもちいる設計となっています。大黒柱に限ったことではありませんが、集成材以外の材木は、ひとつとして同じ品物はありません。「木目」「幹通り」「ソリ・ムクリ」など、棟梁がひとつひとつ「コロンコロン」と木材を回して確認するのです。

ノミ・カンナの作業=大工職人としがち。しかし、その前工程にこそ、職人の「暗黙知」が隠されている、とわたしは言いたい。

▼動画:棟梁の木拾い

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2021.03.29

春休み。

柱や梁となる木材に、穴をあけたり、切断したりすることを「刻み」(きざみ)と呼びます。ちなみに、穴や切断の記しを「墨付け」(すみつけ)、と呼びます。今日は、春休み中の「はなわ町の家」のご家族と会津山義の大工さんの即席チームで、はなわ町の家に用いられる構造材を「刻み」ます!

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝、はなわ町の家のご家族より、写真をいただきました。(LDKから見えるといいなぁ。)

2021.03.28

ハビトゥス

Danner社製のDanner Light Black。私物品です。21年前に東京・新宿で購入しました。写真をみると、ピッカピカです。理由は、高校を卒業し、大学入学までの小休憩中にメンテナンスを長男が施してくれましたのです。

わたしもシーズン後にメンテナンスはしていましたが、ここまで仕上げたことはありませんでした。ちなみに、コバルトブルーの靴紐は息子からのプレゼント。メルカリで探してくれたDanner社製。

Danner Light、5万円前後で購入した記憶があります。ものすごく高くて、何度も何度も「買うかな、どうすっかな〜」って1時間以上、店内をウロチョロしていました。

当時、メンズブランド雑誌のMade in USA特集で出会えた代物。防水性・通気性が高いGORE-TEXとよばれる特殊素材や、職人がひとつひとつ手作りでつくることなども魅力的でした。なかでも、リペアサービスがあること。これで購入へと背中を押されました。品物の保証とか保険よりも、つくり手の考え方・向き合い方に惹かれたのかなって、今考えると。

オールソール交換からミッドソールの修理まで、靴底を外して新しく取り付ける工程、縫製工程など「長く共にいれる」ための設計がなされているのです。

 

 

時が経つにつれて、美しくなってゆくもの。

素材の良さはもちろん、家族との思い出までも輝かせてくれる、こうした「文化的資本」がわたしの住宅観に関係している。と、言えるかもしれません。

 

 

2021.03.27

BLACK ∩ White

会津若松市 飯寺北の家。棟上げ最終日は、会社定休日でしたが大工さんに出勤してもらっています。職人的社会からの脱却を図るため、会津山義では週休2日制を採用していました。が、現場工程の都合もあり、本日のようにいわゆる休日出勤となるケースもなくもない会社です。

「法制度を基にしつつも、技能の習得時間も欲しい。」このあたりが職能業界の悩ましいところではないでしょうか。

 

 

 

 

屋外作業に適した天候の1日になりそうです。

2021.03.26

技法のひとつ

会津若松市 飯寺北の家、昨日より「棟上げ」(工事)をしています。1枚目の写真は2階床梁と火打梁の組み立ての様子です。

 

 

2枚目の写真は、大黒柱。柱頭部(柱上部)は変わった形に加工が施されています。

 

加工された木材には「番付」とよばれるコードが割り振られることで、迷子にならず適所へと運び組み込まれてゆきます。

また番付は、背中を南側にして読めるように表記します。そうすることで、手元に設計図がなくとも、番付の向き(方位)により棟上げが進んでゆきます。

 

 

 

2021.03.25

湯川村の家。

今日は、湯川村の家。そとん壁(シラス壁)の作業風景です。

 

 

写真右側は「下塗り前」、写真左側は「下塗り後」になります。

 

下塗りの際、ガラス繊維がネット状に編み込まれた「ファイバーネット」を下塗り材に塗り込みながら、下塗り工程を完了させます。

 

 

 

これにより、塗壁特有の「ワレ」や「ヒビ」の軽減をはかります。また、そとん壁の下塗り層は雨などの水分を屋内へと運ばない仕組みにもなっています。

 

詳しくは、スーパー白州そとん壁Wをご覧ください。

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