風義ブログBLOG

カテゴリー:風義について

2007.08.27
風義について

基本に忠実に〜構造計算編〜

7月に続き、建築家松本昌義先生の講義に参加してきました。
第2回目の講座は『屋根の掛け方と木構造』です。
午前中は前回の課題の講評が中心でした。
80点と、中途ハンパな結果でした・・・。
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30分という短い昼食を取り、
気分新たに午後の講義‘構造計算‘に入りました。
 
山義は、構造材(ハリ、柱他)、造作材(床板、壁板他)を問わず、
木材には国産材を使いたいと常に考えます。
大手ハウスメーカーとの差別化の意図もありますが、
無垢の国産材を使い、利益を山に還元が
環境保全に貢献するということだろう、と。
構造材の梁(ハリ)に適切な材は粘りのあるマツ材ですが、
今、入手が困難になっています。
国産材であればスギやヒノキを使うことになるのですが、
マツ材に比べてどの程度の割り増しが必要なのかを知る必要があります。
適切な断面寸法の採用による合理的な設計と施工もその理由の一つ。
こんなことを間取りに取り入れプレゼンを行うので
他社の数倍の労力がかかってしまい
『いったい、いつまで待たせるの(怒)』なんて場合もありましたね〜。
でも、それは仕方がないこと。
(特に、山義では梁を見せるケースが多いですから、大事な部分なのです。)
 
梁の必要断面寸法を求めるには
1、計算による方法
2、早見表による簡便法
の2つがあり 
1は確実だが手間が掛かり、
2はプレゼン段階の目安になる。
・・・なるほど。計算方法はここで説明しませんが、
あらためて木造在来工法の奥深さに興奮を覚えました
 
次回は最終回です。
提出課題のトータル高得点者には豪華景品をくれるそうなんで、がんばるぞ。
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2007.08.24
風義について

玄関ドア

山義標準仕様では、玄関ドアは青森ヒバで作るのですが
お客様Kさんの夢とのことで、
今回は、特別にひのきでこしらえました。
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どうです。きれいな柾目板でしょう。
(棟梁流に言えば、「トロットロな柾目だぞ。」)
 
通常は、扉にガラスなどで表情を出しますが、
『ひのきの柾目を最大限に活かしてください』と。
細工はせずひのきの表情を最大限に演出しました。 
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時が流れ時間が経過することが
「さびれ」や「劣化」ではなく、風合いに変わっていく様に。
楽しいこと、うれしいことやつらいこと、
家族の思い出を十分に受け入れる準備が出来ている無垢の玄関ドア。
そんな「木の家」に人々は魅力を感じるのかもしれませんね。
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オニヤンマもひのきの香りに癒されていましたよ。
 
 
 
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2007.08.22
風義について

アフターサービス 〜もくまど編〜

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2年前にお世話になったお客様の家にお邪魔しました。
「もくまど」に全国で数件の不具合があり
同じ時期に販売した窓を交換する作業に立会うためです。
お客様にはご心配とお手数をおかけして申し訳ありませんでした。
慣れた手つきで交換が行われていきます。
職人さんの手さばきがあまりに見事なので、見入ってしまいました・・・。
 
下左の写真が、交換した窓の側面です。
木と木を組んだ枠が外れるとマズイということで、
下右の、ビスで固定したものと交換しました。
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他の場所も無事交換できました。
何事もないうちに対応できてよかったです。
ご協力ありがとうございました。
 
帰りにお庭の家庭菜園でもぎたての夏野菜をいただきました!
きゅうりと唐辛子。辛いもの、うちのカミさんが好きなんですよ。
ご馳走様です!
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2007.08.20
風義について

セルロースファイバーという断熱材 〜事務所編〜

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会津地方も梅雨が明け夏らしい暑さがやってきましたね。
私、一人であれば暑さも寒さも我慢できるのですが
優秀なスタッフ(?)のためにイイ条件の環境を整えようと
思い切ってクーラーをつけることにしました。
エアコン用の電源は用意してありましたが、
スリーブ(配管などが通る壁を貫通する穴)を用意していなかったので、
施工会社に開けてもらいました。
 
すると、なんということでしょう。
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超強烈な振動ドリルで穴を開けたにも関わらず、
壁内のセルロスファイバー断熱材がきれいに残っているではありませんか!
『繊維系断熱材はズリ落ちないの?』という疑問を
山義塾でよく耳にするのですが、
問題は断熱材の材質ではなく、
設計者と職人の技術差(施工と知識)なんですよね。
(自分はそう思うんだけど。)
 
断熱材に限ったことではありませんが
メリットがあれば、必ずデメリットもあります。
どちらかを隠して売るのは、山義の風義には反します。
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それにしてもきれいな円柱状になっていますよね〜。
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2007.08.13
風義について

よみがえる古民家

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喜多方市在住の山義OBのお客さんWさんから頂いた本です。昔の木組みの力強さとコントラストがよくまた古民家を引き立たてる為に色々とアレンジを加える、ドイツ人のカール・ベンクさんが書かれたもの。
 
   
彼の思想の根っこには、
消費文化の日本の流れの中で失われていく日本の良き文化・伝統・芸術的建築物を
なくしたくないという想いあります。
本をくださったWさんも、
大きな梁や柱に日本人のスピリットを感じるとおっしゃる方です。
 
先日、古民家のリフォームの相談がありました。
クライアントは関西から会津に移住して10年位だそうです。
今後(2〜3年後)の話ではありますが、 
古民家の大黒柱や曲がり梁などを山義スタイルでご提案を出来たら素敵だろうな。

2007.08.10
風義について

私の先生は

夏休みが始まり山義に実習生が来ました。
来年度卒業の学生さんで希望職種は設計士。
 
で、早速・・・
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現場(!)に出てもらい、
初日から屋根上の化粧野地板を施工してもらいました。
(いや、させました。)
 
梅雨明けしたのか気温も30℃近くあり、キツイかなとも・・・。
でも、現場をしらないと、
職人に伝わる図面が描けませんからね!
設計希望の方の多くはCADや図面を描くことをアピールします。
それがダメだとはいいませんが・・・。
設計士の立場として何ですが、
机上では判らない見えない寸法が現場には毎回あります。
また、アイデアもたくさん転がっています。
幾度となく現場を訪れ
それに気がつく設計士になってほしいですね。
『現場が一番の先生だよ。』
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2007.08.06
風義について

1400枚〜運搬編〜

以前、床板45ミリのお話がありましたが、
先日、その床板の運搬作業が行われました。
 
乾燥を終了し含水率は16%前後。
現段階の寸法は巾170ミリ厚さ50ミリ。
山義の工場で加工を行い、仕上り寸法で巾150ミリ厚さ45ミリとなります。
 
木材は乾燥が進むにつれ動きが出るので、余計目に製材しておきます。
乾燥時寸法よりカンナ加工時の寸法が小さくなりもったいない感じがしますが、
製品精度を上げる為には不可欠の工程です。
 
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これで40坪前後の家1件分の床材。
 
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仕上がりはこんな感じです。材は県産すぎ。
 
今年度竣工の『喜多方舞台田の家』でデビュー。
山義標準仕様となりました。
いままで、床板は15ミリ厚を使用しておりましたが、
県産木材を手軽に仕入れるルートが確保出来た事もあり
45ミリを標準仕様としました。
 
大工さんとは、45ミリを1寸5分(1スン5ブ)という単位で打合せします。
1寸5分はとても応用が利く木材寸法なんですよね。
タルキ(屋根の下地材)、
ネタ(床の下地材)、
スジカイ(耐震壁の補強材)といった下地材や
カモイ・シキイ(障子など建具の上や下にあるミゾが材)、
ダイワ(和室天井にグルリと回っている材)
ハバキ(床と壁の付け根にある材で掃除機ヘッドなどからぬり壁を守る)などの化粧材まで
幅広く使用用途がある寸法です。
 
素性が良く人の肌に触れる材は化粧材にします。
しかし、材として問題ないのに、
節や色の問題、または乾燥工程で狂いが出たものは化粧材には適さないので
一般的には処分してしまいます。
山義ではひと手間くわえ、下地材として木材の命を再びあたえます。
45ミリ(1寸5分)は家をつくる重要な寸法なんですね。
 
適材適所と言いますが、何十年も生きた木材ですから
たとえ下地材にでも大切に使いたいですよね。
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柱や梁はもちろんだけれど、家に使用する木材一本一本に目配り気配りを払う職人は、完成する家をどんな気持ちで見送るのかな。
 
  
 
  
 
 
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2007.08.01
風義について

青森ヒバでシュッシュッ。

「横山さん、畳にカビが出ちゃいました。」
 
先日、引越し1年目のお客さんからTELを頂ました。
次の日の夕方でもいいから見に来てほしいということでしたが、
早速用意をして対策方法を伝えにおじゃましました。
 
山義では使用しているタタミは防カビ材が使われていません。
だから梅雨の時期になると、時々このような相談を受けるんです。
 
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[梅雨の時期のタタミのお手入れ]
○タタミに付いたカビを亀の子たわしで取り、掃除機で除去します。
○その後、青森ヒバから取り出した液体をタタミにスプレーします。
 科学系薬品で処理は好ましくないですもんね。
 使う用途は選ばないので洗面所の床などにも効果的です。
○最後はかわいたタオル等で乾拭き仕上げ。
 自然素材の取り扱いはなんだかムズカシイ感じがしますが、とても簡単ですよ。
 
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帰りに、娘の好物のトマトをいただきました。
ごちそうさまでした。
 
 
 
 
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2007.07.30
風義について

耐震診断補助金

CADメーカー主催のセミナーに参加しました。
 
補助金対象建築物は昭和56年以前の建物で
診断の費用12.6万円で12万円が補助されます。
その後耐震工事を行えばまた補助金があるようです。
(最大で60万円。)
72万円の補助事業ですから、オーナーさんにはお得な情報ですよね。
また、所得税の軽減もあるようです。
 
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さて、本題はここから。
耐震工事を行えば『倒壊しない。』
私見ですが、この部分に、
行政とエンドユーザーの認識の差が多いと感じるのです。
というのも、基準法でいう「倒壊しない」とは
「建物が崩れない」という解釈なので、
例えば基礎と建物がズレてもOKなんですよね。
安全に避難ができて、建物が倒壊て道路を塞がなければ、
『倒壊していない』と判断されるわけです。
 
でも、エンドユーザーは、
震度6程度の地震でも建物は無傷なのだろうと考えている。
このギャップは、デカイ!ですよね。
 
何の為の耐震診断か。
誰の為の耐震工事なのか。
業界は潤いますが、エンドユーザーの利益は
本来は補助金ではないのではないかと思います。
 
補助金事業自体は良いのだと思います。
でも、そのギャップを、私が自分のなかで消化してからでないと
お客様に提案できないなと、帰りの車で思いました。
 
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2007.07.30
風義について

地鎮祭で初心に


梅雨明け宣言はまだのようですがイイ空ですね。
この空の下、石堂町の家『終の棲家』の地鎮祭が行われました。
お施主様との共同作業のスタートです。
地鎮祭とは、工事着手の前に行う
「安全を祈願する儀式」のことです。
この「安全」のことを詳しく言うと、
1.土地の神様や工事の守護神を祀る(まつる)こと
2.敷地(土地)の汚れを清めること
3.工事の無事進行
4.永遠の加護を祈願する
これらのことを願う儀式です。
毎回感じますが祝詞で初心に帰ります。
(大工弟子時代を思い出します。)
 
今回は、地鎮祭終了後に
地盤調査も、合わせて実施しました。
大事な部分でもあったのでお施主さんに時間をいただき
一緒に作業を確認しました。
結果報告は数日後です。
工事も、住んでもなお永遠に安全であるための基本の調査。
気持ちがさらに引き締まりました。

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